第015号 受付 2026.08.31

一番下の段

実家の玄関の靴箱には、暗黙の決まりがあった。

一番下の段だけ、誰の靴も入れない。理由を知る人はいない。

掃除はされている。埃も溜まっていない。ただ、何も置かれていない。

来客のために、一度だけその段に客の靴を並べてあげた住人がいた。

客が帰ったあと、靴箱は元どおりになっていた。誰が戻したのかは分からない。

それ以来、なぜかその段の高さから聞こえる物音にだけ、敏感になったという。

第015号の報告に添えられていた写真
添付 1

添付は差出人から送られた写真を、受付時に縮小して綴じたもの。原本は別途保管する。
受付年月日は、受け取って書き起こした日を記す。公開はこれより後になる。