本棚に並ぶ文庫本の中に、しおりを挟んだままの一冊がある。
その一冊だけ、月によって厚みが違って見える。
しおりの位置は動いていない。厚みだけが、指の感覚で分かるほど違う。
毎晩それに触れて確かめる癖があったが、ある夜疲れて確かめずに眠ってしまった。
翌朝、その一冊だけ棚から少し飛び出していたという。
それ以来、同じ本を読み返しても、前回読んだ場所を正確に思い出せなくなったという。

添付は差出人から送られた写真を、受付時に縮小して綴じたもの。原本は別途保管する。
受付年月日は、受け取って書き起こした日を記す。公開はこれより後になる。