第030号 受付 2026.09.09

誰も押していないボタン

誰も押していない降車ボタンが、毎日点く。

通勤で使うバスの、決まった停留所の手前だけだという。

運転手は毎回停める。扉が開いて、誰も降りない。

運転席のモニターにも、その停留所だけ降車の記録が残るという。

ある人が、その停留所で試しに降りてみた。

ただの住宅街で、何もない場所だった。

以来その人だけが、バスが止まる前にボタンの光る音が聞こえるという。他の乗客には、その音は聞こえない。

第030号の報告に添えられていた写真
添付 1

添付は差出人から送られた写真を、受付時に縮小して綴じたもの。原本は別途保管する。
受付年月日は、受け取って書き起こした日を記す。公開はこれより後になる。